住宅購入とお金の本
特集32建売住宅の価格はどうして2,3月に下がるのでしょうか?
季節が変わる頃になると各地でよく目にするバーゲンセール。
このバーゲンセールを待って欲しいものを手に入れる「賢い買い物」はすでに常識となっています。
さて、建売住宅は衣類等とは違い季節に関係なく流通しているものなのでバーゲンセールはないと思いますよね。しかし他の業界と同じように建売住宅にもセール品は立派に存在しているのです。
では一体いつ頃に住宅のバーゲンセールが行われているのでしょうか?
ズバリその答えは「2月から3月」となります。
ここではその「建売住宅バーゲンセール」について1級ファイナンシャルプランニング技能士(CFP)でFP住宅相談ネットワーク代表・黒須秀司にわかりやすく説明してもらいます。
「パワービルダー」をご存知ですか?
一般の方はあまり耳にしないこの“パワービルダー”という言葉。
ひとことで言えば『多くの住宅供給量を持つ建売業者』のことを示す言葉です。ちなみにパワービルダーは主に株式上場している建売業者というのが現状です。
このパワービルダーという言葉は不動産・建築業界のみで使われている言葉なので、一般の方に知られていないのも当たり前なのです。
一見すると英語かと思われるこの言葉は、1990年代半ば頃から使われだした和製英語になります。
実は住宅のバーゲンセールにはこのパワービルダーが深く関係しているのです。
住宅建売業者も他の業界と同じように毎年2~3月の間に値段を下げて物件を売りに出しています。これは月末の年度末(決算)のために在庫を処分し売り上げを多くするという目的があります。
このような理由から2~3月が建売住宅業界ではセール時期となっているわけです。
では今年の事例についてご紹介いたします。
2016年3月4日現在では、一部の物件はすでに価格を下げて販売がスタートしています。
今現在でどのような事例があるのか以下をご覧ください。
どのようなご感想でしょうか?(※1)
今年もすでに3月末の年度末に向け住宅建売業者の大幅ディスカウントセールが始まっています。
住宅バーゲンセール情報はどこから入手?
残念ながらこの年度末に向けた建売住宅バーゲンセールの情報は公にはされないのが一般的です。インターネットなどで検索してみても欲しい情報は殆ど入手できません。これらのバーゲンセール建売住宅の売買は大部分が水面下で行われているのです。
ではどうしてインターネットなどの広告でバーゲンセール物件の情報を流さないのでしょうか?
それは業者が価格を下げる物件は殆どが一箇所にまとまっているからです。価格を下げる前に同じような物件を購入した方が、インターネット等の広告で新しく改定されたセール価格を目にしないようにという意向があるのです。
ですからバーゲンセール物件の情報は特定の実力のある不動産仲介会社だけに伝えられます。
また建売住宅のバーゲンセール価格の設定は同じところで連日にわたり行われるケースもしばしばです。
もし有利な住宅バーゲンセール情報を手に入れたければ、販売能力や情報収集能力に定評がある不動産会社と密接なコンタクトを取ることがポイントになります。(※2)
バーゲンセール物件を探すときに注意する点
上記のように決算などの都合によりお得な価格で設定されているバーゲンセール建売物件。もちろん注意すべき点はあります。
業者が物件の値段を下げる理由は、決算や期末までに少しでも多くの売り上げを得るのが狙いです。ですから価格が下げられている建売住宅は「3月末までに引き渡し」というのが条件になっているものが殆どなのです。
一般的に住宅売買の契約は手続きに時間がかかるために、もし3月末までに引き渡しを終えなくてはいけないのであれば、遅くとも3月上旬には購買契約を交わす必要があります。すなわち住宅が安くなるその時期までだと考えてください。
年度が新しくなればバーゲンで売れ残った物件は販売価格が元に戻されることも珍しくはないのです。
もしマイホームを少しでも安く手に入れたいのであれば、この2月から3月にかけてのバーゲン時期に積極的に情報を集めることが必要不可欠だと言えるでしょう。
もしかしたらとても良いお買い物ができるかもしれません。
※ 1. 記載されているのは当初価格と1月に改定された価格の差になります。この期間で価格変動の可能性もございますが、ここでは割愛させて頂いております。
※ 2. FP住宅相談ネットワーク各社では、売り出し中物件の価格変動についてお知らせのサービスも提供しております。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。