住宅購入とお金の本
特集27フラット35Sの固定金利が0.87%という現在
住宅金融支援機構が提供するフラット35S。2015年2月には前身の住宅金融公庫時代から現在までの間を通して、フラット35Sの貸出金利が最も低い値をつけました。 3月には0.1%の金利がありましたが、それでもこの値は今までにはない低いものとなっています。またフラット35Sの金利の引き下げ幅が2月9日より拡大されてますます低金利になっています。そこでこのフラット35Sを選ぶことについて、解説していこうと思います。
フラット35Sの金利優遇制度について
住宅金融支援機構利用の固定型住宅ローンがフラット35と呼ばれているものです。そして省エネルギー対策、耐震性という面で優良な住宅については、Aタイプであれば10年間、Bタイプであれば5年間という一定期間の金利がさらに引き下がる制度があるのです。これがいわゆるフラット35Sというものです。
気になる引き下げの値について
フラット35Sの引き下げの値0.3%は、平成27年2月9日から0.6%に広がりました。金融機関による最低金利は1.47%という値ですので、フラット35Sを今月から利用するとなれば、最初の5年もしくは10年の金利は0.87%という低い値になります。変動金利を選んで1.70%の金利の優遇を受けた場合には0.775%になります。つまり5年から10年の間は0.095%の違いで固定金利を選ぶことができます。ちなみにこの期間が過ぎても固定金利の1.47%は最後まで続きます。
気をつけたいポイント
このように低い金利で固定できるのはとても嬉しい制度と言えます。しかし気をつける点もいくつかあるので、それを説明してみましょう。
(1)タイミング
貸出しの月の金利が採用されますが、毎月金利の見直しがあります。短期間での引き渡しでは余り影響を受けませんが、半年以上の長い期間の引き渡しの場合では、問題がおきるということを頭に入れておきましょう。今の金利での返済計画を立てていても、金利が変わり返済額が大幅に違ってくるこも考えられます。
ではフラット35のこの11年間の金利の移り変わりを検証してみましょう。このグラフからはり金利はかなり変動していることがお分かりになると思います。また今時点におけるフラット35(S)の金利がとても低いこともよく確認できます。
(2)自己資金
ここまで例をあげてきた金利は物件価格の90%を借入れた時の金利になります。融資のプランは一番大きなもので物件価格の100%までがあります。しかしこの場合は金利は0.13%高く、また90%の借入れに比べると審査も厳しいと言われています。他の注意点としては様々な諸経費についてはフラット35Sは使えないということがあります。つまりこの諸経費については自分で資金を用意しなくてはならないのです。しかし金融機関によっては自己資金が足りない方に対する融資プランもあるので相談してみましょう。
(3)団体信用生命保険
フラット35(S)には団体信用生命保険は自動的には付きませんので、もし団体信用生命保険へ加入する場合には保険料金が別に必要になります。
(※3,500万円借入の場合は当初年間保険料125,300円)
どの金融機関を選ぶか?
フラット35(S)は金融機関によってその金利にも違いがあります。金融機関のフラット35(S)の金利の情報については各金融機関のホームーページで確認できますので、これを参考に比較できると思います。もちろん金利が低く設定されている金融機関を選ぶ方がお得であるのは言うまでもありません。では金利が同率の場合にはどのように金融機関を選択すればよいのでしょうか?このような場合には融資手数料に注目しましょう。フラット35(S)では融資手数料があり、これは金融機関の利益となるもので各金融機関により異なります。
以下は3,500万円の融資を受けた時の融資手数料を比べたものです。
同じ額の融資を受けても、A社とC社を比べてみると396,900円の差があります。つまりフラット35(S)では融資手数料まできちんと調べることが大切なのです。また融資手数料を前払いしないで、金利に上乗せという事も可能です。このようにいろいろな条件の差があるのにもかかわらず、金融機関に直接出かけて行っても、他の機関との比較は教えてくれないのが一般的です。ですからフラット35(S)やさまざまな住宅ローンに関しては、ファイナンシャルプランナーへ相談することが賢明だと言えます。不動産会社を選ぶ時には、専門知識を持つファイナンシャルプランナーがいるところを選びましょう。