住宅購入とお金の本
特集19住宅ローンの借入れ条件は銀行ごとに違うのをご存知ですか?
住宅ローンは多くの方がマイホームを購入する際に利用しています。そこで住宅ローンを借りる時に注意すべき点を金融機関やその条件をもとにお話ししたいと思います。住宅を買う時には数千万円と高額なお金を借りるのが一般的ですね。ですから住宅ローンの内容をきちんと把握していなければ、数百万円単位の損失がでる場合も考えられます。
今回は住宅ローンの審査に置ける具体的な事例を紹介しながら、どのように住宅ローンの申し込み先を決定するかアドバイスしたいと思います。
金利優遇制度について
金利優遇制度は住宅ローンを借りる銀行を選ぶときに最重視すべき点です。
金利優遇制度(*1)はお金を借入している期間(最長35年)店頭の住宅ローンから、初めに約束された金利の優遇幅をマイナスするという制度です。では住宅ローンをこの変動金利タイプを利用して借入したらどうなるでしょうか?
今は多くの銀行で店頭金利を2.475%としています。もしここから1.7%をマイナスした金利優遇を受けられると、借り入れの金利は0.775%となります。そしてこの数字は店頭金利が将来3%になっても有効です。つま適用される金利は3%から1.7%がマイナスされた1,3%となるのです。
金利優遇の違い
ではもし住宅ローンを借りるとなったら、実際にどんな違いがあるのか具体的に説明したいと思います。AからEという5つの銀行での金利優遇の最大値を以下の通りとします。
見てお分りだと思いますがAとBとC銀行が最大でマイナス1.75%という金利優遇になっています。
さて、では以下の条件でAからEのそれぞれの銀行で住宅ローンの申し込みをした場合どうなるでしょうか?
結果はこの通りです。ローンを借り入れる人にとっては、金利優遇の最大値が大きな銀行が有利だと考えます。しかしB銀行の内容を確認せずにAかCの銀行だけで住宅ローンの審査を申し込めばどうなっていたでしょうか?C銀行では否決となってしまったので、A銀行でマイナス1.5%の金利で住宅ローンを借りることになったはずです。
銀行により借り入れが可能限度額に差が
現在賃貸住宅に住んでいて家賃が86,000円であれば、年間では約103万円を支払っていることになります。もちろんその他にも2年毎の更新料などの出費もあります。ですから頭金が貯まるまで待ってマイホームを購入するよりも、頭金0で少しでも早く今の状況を変えたいと考える人も多いはずです。幸いに現在では自分で用意できるお金が0円でも、毎月の返済額が約87,097円と家賃とほぼ同額で約3,000万円の新築一戸建てが手に入る場合もあるのです。(*2)
さて以下は住宅ローンの申し込みで希望の借入額を全額借りる事が可能かという例になります。
銀行の審査の結果は上記のようになりました。
銀行における審査では年齢、勤務先、勤続年数、年収、家族校正、借入状況などの個々のデーターをもとに借入限度額を計算しますが、判断の基準は各銀行により違いがあります。
例にあげた人では年齢、勤務先、勤続年数、家族構成をもとに計算された借り入れ限度額はだいたい下記の金額になります。
この人は3,100万円を借り入れたいと申請していますが、条件を満たしている銀行はH・I・J銀行のみです。もしこの人がH・I・Jの3つの銀行に住宅ローンの審査の申し込みをしたとしまよう。満額借入ができるところはI銀行のみですので、住宅ローンの金利優遇はマイナス1%になるわけです。
まとめ
以上のことから銀行により借り入れの条件がそれぞれ違うということがお分りになったことと思います。殆どの銀行では住宅ローンの専門の部署(住宅ローンセンター等)でこの住宅ローンを扱っています。しかし直接あなたが銀行の店舗へ行っても、一体どのくらい有利な条件を出してもらえるかという『あたり』については触れてもらえない可能性が大きいのです。もちろん他の銀行との条件の違いの比較の提示などもありません。ですから住宅ローンを申し込むための銀行選びでは、公平な視点で銀行を見比べられるファイナンシャルプランナーが頼りになります。不動産会社の不ファイナンシャルプランナーは正確な情報を持ち的確なアドバイスが可能です。
*1 一般的に金利優遇制度は変動金利タイプと固定金利特約タイプのみ
*2 変動金利型の住宅ローンで、3,000万円の物件、230円諸経費で借入現金合計3,230円を、金利0,725%で35年の期間で取り組み