住宅購入とお金の本
特集2消費税率アップで住宅事情はどう変わる!?
駆け込み需要の影響
当たり前の話ではありますが、住宅を購入する場合にも、やはり消費税を支払う必要があります。数千円の買い物であればそれ程大きな影響はありませんが、住宅のように数千万円もする商品となれば不安も増大します。家電用品のエコポイントの駆け込み需要や、エコカー減税が終わる間際の駆け込み需要が以前ありました。これと同様に多くの方が消費税率のアップする前に商品を購買しようと考えているはずです。つまりそのような消費の需要が駆け込み需要というものなのです。
ではこの駆け込み需要がどのように住宅販売価格に影響してくるかを見てみましょう。
1. 土地への影響
住宅の最も基本となる土地に焦点を当てて検証します。皆さんは土地取得には消費税がかからない事をご存知でしたか?意外だと思われる方もいるのではないでしょうか?
とは言っても土地を購入しても家を建てない人はお金が余っている資産家ぐらいです。つまり一般的に考えると土地購入は建物の建築と深く関わってきます。こうなると当然消費税増税の影響を受けるようになります。
土地は家電製品や自動車とは扱いがちょっと違います。例を挙げてその違いを具体的に説明してみましょう。
家電製品や自動車は必要な材料と工場・設備が揃えば、必要量を短時間に生産することが可能です。ところが土地はこのような物とは違い、その仕入れから商品として市場に出せるまでに長い時間を必要とします。また将来の需要に見合う仕入れがその時々に可能だとも言いきれません。ですから仮に土地への需要が膨らんでも、その需要に素早く対応して商品を作るということは不可能なのです。ここが土地と家電製品、自動車などとの違いになります。
以上の点からマイホーム、すなわち土地と建物への需要が膨らむと、市場にある土地が少なくなり、土地の価格が上がる原因となるのです。
2. 建物への影響
ここでは建物についての影響を考えてみましょう。土地と違い建物には消費税がかかります。つまり消費税率がアップすればその影響をダイレクトに受ける訳です。
少々おおかまですが、3000万円の建物であれば、現在150万円の消費税ですが、税率が10%になれば300万円になってしまいます。こうなると差は少なくなりあません。
さて建物についてはさらに注意すべき点があります。東日本大震災による復興需要で大工さんなどの職人さんの人件費が高くなってきています。もし人件費がアップすれば当然建物の価格もそれに伴いアップします。さらに建築の需要が多くなれば、その材料である建材の価格も上がります。このような事も住宅価格に影響してくる点です。消費税率アップ以外にもこのような価格の上昇の要因も現在は十分考えられます。
3. 値上がり時期の予想
1997年4月に前回消費税率が3%から5%に上げられました。この時に消費税率アップの駆け込み需要が起きたのはその約1年半から1年前でした。データーによると、1996年の消費税率アップの前には住宅着工棟数が前年と比べ15.6%もアップしたとなっています。もし今回も前回と同じような動きかあるとすれば、早くて今年の秋から冬にかけ駆け込み需要が発生すると思われます。
『マイホーム探し』とひと言で言っても、マンション探しや建て売り住宅探し、もしくは土地を探して注文建設、とその視点は人それぞれ違います。実際に購入まで行き着くには、立地条件やその他の条件が希望通りか、自分が妥協できる物件が見つからなくては無理です。この点を考えるとやはり早目に行動する方が得策です。頭であれこれ考えるよりも、実際に多くの物件を見学して比較してみましょう。それにより物件に対する判断力も育ちます。とりあえずマイホーム探しを初めることをおすすめします。きっと今までとは違った価値観が芽生えてくることでしょう。