住宅購入とお金の本
特集24消費税率アップ延期が住宅購入市場に与える影響
消費税率10%となるのは2017年4月まで持ち越されました。この消費税率アップ延期により住宅購入市場はどう変化したのでしょうか。横浜市、川崎市、東京武蔵野・多摩の各エリアについてリポートします。
■5%から8%にアップした消費税。この増税前と増税後の変化を検証
2014年4月に5%から8%に引き上げられた消費税。この税率アップにともなう駆け込み需要が1年前よりおきて、住宅価格は上向きとなりました。(事例1参照)
消費税が8%に引き上げられた4月以降、つまり2014年の春から秋には反動減がみられ、これにより住宅販売のスピートが鈍化し余った住宅などが発生して、その価格は下がりました。(事例2参照)
■消費税率10%導入が延期と決まってからは?
マイホームの購入を検討している人にとっては、2015年10月に消費税率が10%に上がるのかどうか非常に気になっていたことと思います。
そこでFP住宅相談ネットワーク代表の黒須秀司氏に2014年秋以降の最新情報について意見を聞いてみました。
黒須氏によると
「消費税率10%の引き上げが決定していない時では、住宅市場の様子は模様眺めしている状態が続いていました。消費税率が10%にアップするのが2015年の10月であれば、早目にマイホーム探しを、しかし延期になるなら、その延期の決定を待ってからマイホームを探そうと多くの人が考えていたはずです。そして消費税率アップの延期の決定前と決定後では、住宅探しをする人の動きが明らかに変化しました。弊社グループのサイトへのアクセス数、住宅検索の某有名ポータルサイトの利用者数をみれば、この変化の様子がよくわかります。消費税税率が8%にアップする前に見られた駆け込み需要、消費税率8%にアップ後に見られた反動減、またそれに続いた模様眺めと言った、通常とは違う住宅市場の動きは収まりました。つまり現在の住宅市場はごく普通の動きに戻っているのです。」
■今年の住宅購入市はどう動く?
「現在住宅市場がごく普通の動きをとっているということから分析すると、マイホーム探しのラッシュは今からゴールデンウィークまで、つまり1月から5月となりますす。また3月の決算に合せてパワービルダー、つまり上場企業の建て売り業者が在庫住宅の値段をかなり下げてくるので、この時期が年間を通して最もお得に住宅購入できる可能性が大きくなります。住宅購入をお考えであれば、積極的に見学して下さい。また2017年4月消費税率が10%に改定される前までに住宅購入を目指して、今から準備しておいて損はないでしょう。2017年までまだ2年も時間の余裕があると思うでしょうが、駆け込み需要が発生するのは税率改定の約1年前です。そうなれば住宅価格は上向きになってしまいます。つまりお得な金額で住宅購入が可能なのは、今後1年ちょっとの間となるのです。もし半年から1年を住宅探しにあてようと考えているのであれば、今が丁度それを始める時期でしょう。2014年4月以降に見られた反動減の時期に売り出された住宅が今でも市場に残っているので、これらのお買い得物件を上手に見つけて、夢のマイホームを入手しましょう。しかし春に向けてこのようなお得な物件は少なくなってきますので、やはり早目にスタートした方が良いのは言うまでもありません。」
FP住宅相談ネットワーク各社では、サービスの一貫として現在販売されている物件の価格変動をお知らせしております。お気軽にお問い合わせください。