住宅購入とお金の本
特集22”癌(ガン)”と診断されただけで、住宅ローンの支払いがなくなる!?
日本人の死因の第1位は癌。
今や2人に1人が癌を患い、3人に1人が癌が原因でお亡くなりになっているそうです。また、近年若年層の癌についても話題になることが増えてきました。
今回はその”癌”と住宅ローンの関係性を考えてみたいと思います。最長35年にも及ぶ住宅ローン、金利や事務手数料の比較検討だけで選択して本当に大丈夫なのでしょうか!?
一般の団体信用生命保険について
一般的な住宅ローンを組むと団体信用生命保険(以下「団信」)がついてきます。このことはインターネット等での情報も豊富な昨今ではご存知の方は多いと思います。
団信とは、住宅ローンをお借り入れされた方(債務者 多くの場合ご主人)が返済期間内にお亡くなりになった場合、残されたご家族にその債務が残らないようにするために無料で自動付帯される保険のことです。
住宅ローンは返済期間35年という超長期で組まれることが多いので、この団信は金融機関側だけでなく、お借り入れをされた側から見てもとても安心なシステムとなっています。ちなみに、どこの金融機関でもこの団信は自動的についてきますので、一般的な団信で金融機関ごとの差が出ることはありません。
(注)住宅金融支援機構の『フラット(35)』の場合、団信は無料の自動付帯ではありません。別途保険料をお支払い頂く任意付帯となります。
「○大疾病保障(補償)」付の団信
インターネットで金融機関の住宅ローンを検索してみると、3大疾病保障付団信、7大疾病保障付団信、8大疾病保障付団信など、死亡以外に保障範囲を広げた団信が増えてきました。ガン・脳卒中・急性心筋梗塞など、特定の疾病や生活習慣病に罹患した際に、生きている状態でも住宅ローンの残高分が保険金として支払われ、住宅ローンが完済されるというものです。
一部の金融機関では、この○大疾病保障(補償)付団信(以下○大団信)が無料としている金融機関もあります。手厚い保障で安心ですね。しかし、この○大団信の保障内容はどこでも同じなのでしょうか?
「○大団信」は二つのグループに分けられる
「○大団信について、各金融機関のホームページを見ても分かりづらいですよね。恐らく、違いがあるということを前提に比較してみないと見つけ出すことは困難だと思います。そこで今回は“癌に罹患した場合”だけに注意点を絞ります。
この場合、○大団信は2つのグループに分けることができるのです。Aのグループは、癌と診断され、約13カ月間入院が継続、もしくはいかなる業務にも従事できない状態が継続した場合に保険金が支払われ、住宅ローンが完済されるグループ。Bグループは、癌と診断されただけで保険金が支払われ、住宅ローンが完済されるグループです。保障内容からすると、どちらが有利かは一目瞭然ですね。Aのグループは1年超の入院継続もしくはいかなる業務にも従事できない状態です。いかなる業務というのは、たとえば会社員であれば、営業が出来なくても事務等が出来れば支払いの対象にはなりませんから、1年を超えてこのような状態が継続するケースの間口はかなり狭いといえるのではないでしょうか。それに比較してBのグループは、ガンと診断されただけで支払い対象となりますから、支払いの間口はかなり広いと言えます。日本人の死因の1位が癌という時代ですから癌に罹患した場合の内容はよくよく注意して見る必要があります。
それでは、検討している金融機関の○大団信がどちらに該当するかに関してです。保険料不要を謳っているか、もしくは毎月保険料を別途払う方式にしている金融機関の○大団信はAのグループと言って差し支えありません。また、Bのグループについては、金利に上乗せする方式が大半です。金利に上乗せと言っても3,000万円の住宅ローンを組んだ場合で月々3,459〜4,162円くらいですから、保障内容からすると決して高くはないと思います。また、金融機関によっては、A・Bを選べるところもありますし、ガンの保障だけに特化することで金利の上乗せ負担を小さくすることが出来る金融機関もあります。また、○大団信の取扱いをしていない金融機関もあるのです。
ここでは、スペースの関係から割愛せざるを得ないのですが、この他にも脳卒中・急性心筋梗塞についても両者の違いが大きいとの解説がありました。また、余命6ヶ月と診断されたら住宅ローン残高が0円になるものもあるそうです。
日本人の2人に1人が癌になる時代だからこそ、それに対する備えは十分にしておきたいですね。
※「○大団信」についてご興味や詳細をお聞きになりたい場合、ホームタウンよこはままでお問合せください。