住宅購入とお金の本
特集7住宅ローン
フラット35金利上昇が与える影響と今後の動き
住宅金融支援機構のフラット35の貸し出し金利が2013年1月に上昇して、住宅ローンの金利が今後どんな動きをみせるか?
フラット35は固定金利型の代表とも言える住宅ローンです。マイホーム購入といえばこのローンを考える方も多いのでは?だれの頭にも思い浮かぶローンです。
住宅金融公庫は住宅支援機構の前身で、今現在マイホームを積極的購入している30歳代の方々のご両親世代がマイホーム購入の時に住宅ローンを利用していた機関です。ですからこの両親世代の多くの方たちは、お子様方にフラット35を勧めるようです。
フラット35の金利の決定方法
株式会社FP住宅相談ネットワーク代表者、及び1級ファイナンシャルプランニング技能士(CFP)の有資格者である黒須秀司氏はこう見ています。
「フラット35の金利は、主として長期プライムレートに連動します。長期プライムレートは長期物の債券に連動していますので、フラット35の金利上昇は、債権市場で新発10年物国債の流通利回りが上昇したことに起因しているのでしょう。このことは、政権が替わって現在の安倍政権が大幅な金融緩和を推し進めていることも理由のひとつに挙げられます。もしかするとこのことは景気上昇の先駆けの事象なのかも知れませんね。但し、今年1月にフラット35の金利が上昇したからと言っても、歴史的に言えばまだまだ低金利なのです。ちなみに今月の上昇幅は0.18%(※)で実際の貸し出し金利は1.99%(※)です。現在主力となっている30代の住宅購買層の親御さんの世代であれば、住宅金融公庫の住宅ローンを利用されて住宅を購入された方が多く、そういった方々は低い方でも5 % 前後の金利で借りていた世代になります。
平成21年2月に3.20%(※)金利が上がったのが、この10年間においてのフラット35の金利の変動です。これはかなり金利が低いと考えられます。さて景気が良くなれば皆さんのお給料もよくなりますね。これは全体的に考えると良い傾向です。マイホームを購入する人にとってはそうとも言えません。
例えば、1月の上昇幅である0.18%が35年返済の住宅ローンの返済総額にどの程度影響があるのかと言えば、借り入れ元金が3,500万円の場合、35年間の支払い利息の増加額は1,345,678円にもなります。単純に昨年12月に住宅ローンを組んだ方と今年1月に住宅ローンを組んだ方とでは同じ額の住宅ローンを組んだにもかかわらず、たったひと月ずれただけで35年間の支払い利息に134万円以上もの差が生じた訳です。これだけの影響があるのが住宅ローンの金利というものなのです。今後場合によっては、フラット35に代表される固定型住宅ローンの金利が上昇して行くことも十分に考えられますので固定金利で住宅ローンを検討されるのであれば、実際に景気が上向く前に手を打った方が得策だと思われます」。
※金利はSBI モーゲージの例
変動金利型受託ローン
変動金利型の住宅ローンが最近住宅ローンの中でも多く利用されていますが、こちらについて黒須氏に訪ねてみました。
「変動金利型と固定金利型の住宅ローンの連動する金融商品は異なっています。変動金利型住宅ローンが連動しているのは短期プライムレートです。そして固定金利型住宅ローンが連動しているのは長期プライムレート。つまり企業が資金を必要とすれば金利は上昇します。
この点から考えると景気の方向により近年あまり動きを見せなかった変動金利型の住宅ローンの金利が上がる事もあるのです。つまりこれら住宅ローンについてのそれぞれの性質を理解してから、変動金利型の住宅ローンを選ぶようにするべきでしょう。ここに一つの例があります。変動金利型で住宅ローンを組んでも、固定金利型の住宅ローンに切り替えられるます。この事をご存知でしたか?この点をおさえて、住宅ローンをどのように利用するかよく考える必要があります。そしてもし将来的に住宅ローンの切り替えをするのであれば、どの金融機関を選べばよりお金が節約できるかと事前に調べておくのも大切です。ですからマイホーム探しで住宅を見学するよりも先に、これら住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーに一度相談する方が賢いと言えるのです。」
金融機関全般にわたる住宅ローンについて詳しいファイナンシャルプランナーがいる住宅相談ネットワークでは、無料でこのような住宅見学前の相談が可能です。近い将来にはここしばらく安定を見せていた住宅金利ローンの金利が上昇する気配が感じられます。マイホーム購入を検討している方は、住宅ローンの賢い選び方を知るために、是非一度ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。