住宅購入とお金の本
特集11消費税と金利上昇について
この秋はマイホーム購入のチャンス
消費税率が8%にアップ。2015年10月にはさらに10%になる可能性も
消費税アップで需要が増加
今年の春は消費税率が上がる前に住宅を購入する人が多くいたので、住宅の需要が増加しました。新築マンション、新築一戸建て、そして住宅展示場などは盛り上がりをみせていました。消費税率アップで需要が増えて、駆け込み需要という現象がおこりましたが、不動産価格はどのように動いたのでしょうか?
不動産価格が見に見えて上昇したと思われる物件も多少ありました。しかし市場全体から見ると、増加した需要に見合うだけの供給もあったために、東京近郊では際立って大きな価格の動きは見られませんでした。
さて一般的にマイホーム探しが盛り上がるの春と秋になります。それに比べると夏はどちらかと言えば動きが少なくなる時期です。しかし今年マイホームを探している方々は、夏も積極的に活動しているようです。このことから今年の秋は春からの市場の盛り上がりがそのまま続くと予想されます。つまり例年に比べると市場はかなり動くはずです。住宅を供給する側の企業もこの需要を見越して、いくらかは準備をしているようです。ただしこの増加した需要に見合うだけの住宅を確保できているのかは分りません。これらの理由から今年の秋はまだ物件が十分あるうちにマイホーム探しを始めることをお勧めします。
需要の増加 長期金利上昇が影響
皆さんもテレビ新聞のニュースでご存知だと思いますが、今年は長期金利が上向きになってきました。そうなると住宅ローンの貸し出し金利もアップすることが予想されるので、今春はマイホーム探しをする人の数が増えました。
左上のグラフには昨年8月から今年7月までの1年間の35年固定型住宅ローンの貸し出し金利の変動が示されています。昨年は2,4%と貸し出し金利は安定を見せていました。しかし今年からは動きが激しくなっています。ご覧になればお分かりでしょうが、金利は確実に上昇しています。
このような金利の変化はどんな影響を及ぼしたのでしょうか?
今年の4月に住宅ローン3,500万円を申し込んだ方と、その2ヶ月後の 6月にやはり3,500万円の住宅ローンを申し込んだ方を比べてみましょう。35年の間でどれくらいの利息の差が出てくると思いますか?4月にローンを組んだ人は6月にローンを組んだ人よりも、310万円も利息が少なくなります。たった2ヶ月でこれだけの差が生まれるのです。
では長期固定型の住宅ローンを組むというのには今はもう遅すぎるのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。ではここでためになる情報をお伝えします。
M銀行では平成25年7月に金利が2,76%でしたが、中には1.90%という低い金利(固定)で融資を受けられる銀行もありました。
もし3,500万円を借入れるとしたら、その支払い利息の総額は35年で660万円以上にもなります。
この銀行で融資を受けられれば本当にお得です。銀行の具体名が言えないのが残念です。(*1)
注文住宅 購入のタイミング 消費税アップ
注文住宅でマイホームをお考えの方が、もし2014年3月過ぎに住宅の引き渡しになれば消費税率は今の5%になるのでしょうか?それとも税率アップ後の8%が適応されるのでしょうか?
消費税率が5%か8%かの分かれ目は今年の9月になります。もし9月の末までに建築請負契約が交わされれば住宅の引き渡しが2014年の4月になっても消費税率は5%となります。ところが1日後の10月1日に建築請負契約を締結し、住宅の受け渡しが2014年4月の場合では消費税率は8%が適応されてしまいます。
このような点からもし注文建築をお考えであれば、早目に動くことをおすすめします。しかしこれが建売り住宅になれば契約時期は関係なく、引き渡しの時期で税率が決まります。契約が11月でも住宅引き渡しは3月中であれば消費税率は5%です。
ですから今年の秋はマイホーム購入を考えている人にとっては消費税率がアップされる前のラストチャンスです。現在の低金利の住宅ローンもこのままの金利にとどまっているかも不確実です。もしマイホーム購入について様子伺いをしていたなら、この秋に頑張って住宅探しを成功させるべきでしょう。
(※1)詳細はFP住宅相談ネットワークグループ各社までお問い合わせ下さい。
(※2)2015年10月の消費税増税10%の引き上げ予定は、「経済状況などを勘案して判断する予定」となっています。